近年はブラック企業という言葉がマスコミで報じられることが多くなっていますが、ブラックの意味は労働環境に対してです。つまり、サービス残業が当たり前だったり、休日も出勤するように仕向けられたり、劣悪な労働環境の状態です。このような劣悪な労働環境になる理由の一つには正社員という身分が関係しています。正社員ですから会社に忠誠心を持ったり尽くすのは当たり前という発想にどうしてもなりがちです。
そうした劣悪な労働環境にいる正社員よりも時間単位できっちりと働けるのが派遣社員です。派遣社員は企業に自分の労働力を売っているだけです。言い方は悪いですが、その企業の業績がどのようになろうが関係ありません。派遣労働者は単に働いた分だけのお給料をもらうのが仕事です。
このような従業員がいることは企業にとってマイナスとなるだけのようですが、実は企業にとってもプラス要因があります。それは人件費の調整弁になることです。正社員が「簡単に解雇できない」のに対して派遣従業員は契約期間が満期になりますと、「雇用しない」という方法があります。「雇用しない」のですから人件費の削減につながります。
このように派遣社員という働き方には問題点がないこともありませんが、出世競争にあくせくすることもなく人間関係に疲れることなく自分の仕事だけに集中して働くことができます。もちろん派遣として働くには企業からある程度のスキルが求められますので、日ごろから研鑽することは必須です。それさえクリアできるなら派遣社員という働き方は理想の働き方と言えます。